文科省「ゆとり」転換、授業時間増を検討



参考リンク
文部科学省が、こういうニュースやこういうニュースを受けて、
今までの方針を路線転換しようと検討してるらしい。
文部科学省が近年進めてきた「ゆとり教育」は、
 やっぱ間違ってたんじゃないの?」
と言いたいところだけど、おそらく各国との「平均点」比較をしているだけで
成績上位者だけでみた場合とか、成績下位者だけでみた場合だと
違った論点が出てくると思うんだ。

  • 母集団が全体的に低い方にシフトして、平均点数を下げる

のと

  • 成績上位者の点数は変動が無く、低い人の割合が多くなり平均を下げる

のでは、事情が全然違うだろうからなぁ……。
(今の日本の事情は、後者の方に当てはまるらしいけど)


俺が思うに、文部科学省はある意味
「教育の理想を追い掛けすぎてるんじゃないか?」と思う。
もちろんすべての子供の学力を高くさせようとする方針は
間違っている事じゃないし全然良いと思うんだけど、
その分、「良質な先生の確保」やら「各学校の設備投資」やら
「学生のやる気」とかを加味した「費用対効果」を考えれば
もう今の日本じゃそれができないのは明らかじゃない?
この際、「全学生を底上げする」のは諦めて
「上のレベルの人達をさらに伸ばしてやる」のも
一つの選択肢としてアリなんじゃないの?


確かに各方面から反論は出るだろう
「子供の差別化だ!」とか「教育の機会均等に反する」とか
それはそれで理解できるけど、教育基本法にも

第3条「教育の機会均等」


1.すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位または門地によって、教育上差別されない。


2.国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。


教育基本法

こう書かれているんだよね。
確かに、教育の「機会均等」ってのは大事だと思う。
ただ、従来の一律横並び型の教育ってのはどうかなと思う。
上記の教育基本法第3条だって
「能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない」
って書いてあるじゃない?
今までの義務教育の公立学校って、クラス全員が同じ授業を受けていたけれど、
「習熟度別にいくつかグループを作らせて、
 各科目でグループ毎に別々の部屋で授業を受ける」
なんて事くらいしてもいいんじゃないかな、と俺は思うんだが。


う〜ん、でもこういうのって教員に負担かかりそうな気もするなぁ……。



「ウェーブレット」とは何か?〜その①〜



う〜ん、久しぶりに「研究」のカテゴリーを書いたなぁ……。(笑)
1日で三時間くらいブログを書けるなら、
学生時代にやっていた研究の話をずらずら書きたいところなんだけどなぁ……。
果たして、「圧縮符号化」や「信号処理」の分野に関係のある人が
どれだけいるのか非常に疑問なのだが。(笑)


さて、「ウェーブレット」を学ぼうとすると
まずは「フーリエ変換」の基礎を知らないと、かなり厳しい。
一応、自分なりに「フーリエ変換」をわかりやすく書いたのが
ここフーリエ変換の基礎①」とここフーリエ変換の基礎②」
にあるので、興味のある人は是非。
(今読み返すと全然わかりにくいわ。スマン!)
上記のシリーズでは厳密な数学的説明じゃなくて
簡単な「概念」を説明してるだけなので、
詳しく勉強したい人は、それなりのテキストを読んでください。


さて、まぁ「フーリエ変換」を一言で書くならば
「元の波形を、ゆっくり変化する波形と激しく変化する波形に分解する」
って事になるかな。
一方、「ウェーブレット」も波形を分解する手法なんだけど、
フーリエ変換」とは違う分解の仕方をするんだよ。
どう違うかっていうと、「ウェーブレット」は
「局所的に変化する波形と大域的に変化する波形」に分解する。
まぁ、この辺は次回から詳しく説明するよ。


この「ウェーブレット」、具体的にどこで何に使われているかというと
新しい画像の圧縮方式「JPEG2000」での中心技術になってたり、
地震波の解析に使われてたり、
音声・画像認識の特徴量として使われていたりと、
(FBIが指紋照合でウェーブレットを使用していたのは、結構有名な話)
最近いよいよ本格的にいろいろなところで使われてきてる感じがする。
「ウェーブレット」の学問自体は、まだ30年も経っていなくて
わりと新しい分野ではあるんだけどね。


という事で、「ウェーブレットとは何か?」〜その②〜からは
実際に、ウェーブレットのコアな技術の詳細を説明していこう。