久しぶりに読んだ「百万回生きた猫」



みんな知ってる?
佐野洋子さん作の話なんだけど、
今読んでみると童話と思えないほど奥が深い。
あらすじは、以下のような感じ。

あるところに、死んでも死んでも生まれ変わる猫がいた。
この猫、生まれ変わると以前とは違う環境になり
少女に飼われてたり、サーカス団で飼育されてたり、
泥棒に飼われてたり、王様のペットになったりと、
百万回も輪廻転生を繰り返す。
この猫は、多少分裂病チックなところがあり(笑)
自分が一番好きだと言いながら、
本当は自分が受け入れられず自分を嫌っていた。
「自分の人生なんてどうなってもいいや。」
そんな思いをこの猫はいだいていた。


この猫を飼っていた様々な人は、
猫の死に対してすごく悲しんで泣いたのだが
猫の方は、悲しくなったりもしないし、一回も泣いたことは無い。
この猫は、何回生まれ変わっても充実した生を得られなかった。


しかしながら、百万回目に生まれ変わった時に事件は起きる。
この猫は、ある白い猫に恋をして
そのままこの白い猫と幸せな生活を送る。
ここで、初めてこの猫は「生」を感じ、生きる充実感を得る。
しかしながら、白い猫が死んでしまい
この猫も初めて涙を流す。
3日3晩泣き続けて、ついにはこの猫も死んでしまう。


だけどその後は、この猫が生まれ変わることはなかった。

ってお話。


何ていうのか、上手く書けないけど
「他者を愛する事の大切さ」とか「生きる意味」なんかを
改めて考えさせてくれる絵本なんだよね。
俺が小さかった当時は、別に特におもしろい話でもなかったんだけど
今読むと、作者からの「裏のメッセージ」を垣間見ることができる。
何ていう絵本だ!明らかに対象年齢5歳は、低すぎだろ!(笑)


もし自分に子供ができたら
ぐりとぐら」並みに読んであげたい本だよなぁ。(笑)