「オーディオ評論」はなぜ滅びたか?

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う〜ん、確かにこの人の言うとおりかもしれない。
スピーカにしろ、MP3やAACみたいな楽音圧縮の話にしろ
常人の耳で聞き分けるのは、何かと難しいんだよね。
防音室を使用して、外からのノイズをシャットアウトして
音質評価の実験をしても(言い換えれば、実験環境をいくら良くしても)、
ほとんどの人が原音(CDの音)とビットレートが128kbpsのMP3の音質優劣を、
はっきり認識できる人って、世の中にはそうそういない。


ましてや、通常の実環境だと
外からのノイズや、スピーカの良さ等の複雑な要因が重なり合って
ほぼ原音とMP3の違いなんかわからないだろうと
長年この分野を研究してきた俺も思ってる。


それでは、この分野の研究はすでに成熟に達してしまい
残された研究はないのか?
もちろん、低ビットレート化も大事な課題である。
MP3Pro、AAC-plus、ATRAC3-plusとかだと
原音(706kbps)と32kbpsの圧縮音の音質がほぼ等価らしい。
(音源が1チャンネルの時。ちなみにMP3だと64kbpsくらい必要)
すでに、1/20以下の圧縮率が達成されてるわけだ。
ここから、さらにビットレートを下げるのは
かなり至難の業じゃないかな?
何せ、原音は波形1サンプル当たり16ビットなのに対して
上記の32kbpsの圧縮音なんて、1サンプル当たり1ビットないんだぜ!
現実問題、今のMP3にとって代わるためには
圧縮率を1/50とか1/100くらいまでもっていかないと……。
(だから上記のMP3Proとかは、なかなか広まらないと思われる。)


それなら楽音圧縮の課題として、何が残されているんだろうか?
明日以降、俺の思うところを書いてみようと思う。
(続く)