振り回されるのは、いつも小さい役所なんだよなぁ……



まぁ世の常というか何と言うか、うちみたいな弱小官庁は、
大きな官庁の都合ですぐに予定が変わってしまうところがある。
あるいは、うちのトップが「よし、これで行くぞ!」と決めた方針を
大きな官庁からの難色で、いとも簡単に振り出しへと戻される。


今日職場に出勤したらすぐに、俺と係長が課長に呼ばれた。
〜きっと、明日に迫った例の案件についてなんだろうな。〜
と思って、課長の前に行くと……。
課長:「あのさ、今日ってすぐにしなければいけない仕事ある?」
係長:「いや、とりあえず今日締め切りの仕事はないですけど。」
課長:「それじゃ今から、明日のために現場へ行って来て!」
 俺:「えっ、これからですか?」
課長:「うん、これから。もちろん官用車使っていいからさ。」
係長:「業者との打ち合わせも終わってるし、現場で何を?」
課長:「明日の仕事はおそらく今回だけじゃ終わらず、
    今後も続けることになりそうだ。
    業者には、電話での打ち合わせだけで
    まだ実際に会っていないので顔合わせの意味もあるが、
    現場の作業を君達の目で見てきて欲しい。」
係長:「了解しました。」
課長:「そして、この仕事はスピード勝負だ。
    現場を見学して、迅速に仕事を終えるために
    うちの部署で他にできる事がないかどうか調査してくれ。」
 俺:「はい、頑張りますっ!」


ってな事で急な出張が決まり、官用車で2時間かけて現場へ向かう。
現場に到着後、A社とB社の人に会って
現場の作業見学とこれからの作業についての説明を受け、
いろいろと質問した後で、
「それでは明日、頑張って仕事を成功させましょう!」
と皆で意気込んだまさにその時、
メジャー官庁の○○から、この現場へ一本の電話が入る……。


「明日は、うちの業務を進める上での支障になるので
 そちらの業務は延期してもらいたい。」


おい、ちょっと待てよ!
こっちは、一ヶ月前から計画立てて
しっかりそっちにも連絡してたのに、何で横やりが入るんだよ?!
この前連絡したときは、
「こちらとしても、そちらの業務は非常に有益な業務と思っており、
 出来うるだけの協力をしたいと思っている次第。」
って言ってたじゃんか!
それも、何故よりにもよって「前日」に連絡するんだよ!
そういう事なら、もっと早めに連絡してくれるのがスジだろ?!


かと言って、向こうの官庁の意向を無視できないし
俺たちは「はい。」と言う意外に選択肢がないわけで……。
っていうか明日ダメだったら、もう台風が来ちゃうじゃないか……。(泣)