核融合科学研究所、実験のエネルギー値で世界記録を更新〜その①〜

monja2004-12-18



参考リンク
まだ核融合炉の点火に必要なエネルギーの
1/4くらいらしいけど、人類の長年の夢である
「人工太陽」に、少しづつ近づいているのかな。
ご存知の方もたくさんいるかと思うけど、
核融合発電」は今の「原子力発電」ほど
発電過程で放射能とか汚染物質を生成しないし、
高エネルギー出力が可能になるので
将来の人類のエネルギー源として大いに期待されている。


そもそもの核融合の基礎理論とかは、こちらにわかりやすく書かれている。
原子力発電所の場合は、中性子をウランとかプルトニウム原子にぶつけて
二つの原子核に分裂する時に放出される熱で発電するんだけど、
核融合発電の場合は、逆に二つの原子をぶつけて
合体させた時に放出されるエネルギーで発電するんだ。
(まぁ、結果的には核融合後にふたつの原子に分裂することになるんだけど)
ただ、核融合で使う「二つの原子」って、いろいろバリエーションがあって
重水素三重水素
重水素重水素
重水素・ヘリウム
の主に3つ核融合反応が考えられている。
ちなみに、目指すべき反応は③なんだけど
とりあえず核融合の反応図を上に載せておいた。
○が中性子、●が陽子を表していて、
赤の下線がひいてある物質は、放射能を持っている物質である。
なぜ、目指すべき核融合が③かってのは
見ればわかる通り、反応に一切放射能を持った物質が関わってこないから
究極の超クリーンエネルギーになりうるわけだ。
そして、反応後に「陽子」を直接生成するのも非常に注目ポイントである。
なぜなら、「陽子」は正の電荷を持っているために
この③の反応は直接発電ができるからである。
原子力発電や①の反応だと、直接「陽子」を生成できないので
「熱エネルギー」から「電気エネルギー」への変換が必要である。
この「電気エネルギー」への変換時に、かなりのエネルギーがロスするんだけど
③の反応は、直接「陽子」を取り出す事になるので、
(化学反応上では)100%のエネルギー効率を達成できる。
ただ、③の反応に必要になる「ヘリウム3」って物質は
地球上にはごくわずかしかない。
よって、②の反応から「ヘリウム3」を得るか
あるいは、月には「ヘリウム3」が豊富にあるらしいけどね。(笑)
(②の反応後の生成物は、(三重水素、陽子)か(中性子、ヘリウム3)が
 50%の割合で出てくることを表している。)


ただ、現実的に一番反応させやすいのは①らしいんだな。
①の反応だと、反応前に放射能を持つ「三重水素」が必要になるし
なおかつ反応後にも放射能を持つ「中性子」が出てくるので
あんまり使いたくない反応だよねぇ……。
ただ、ウランとかプルトニウムなんかに比べると
三重水素」と「中性子」の半減期は約12年、10分と
かなり短くはあるんだけどさぁ。


ところで、核融合の反応は一瞬で終わるのではなく
「持続」しなくては意味がないんだけど、
反応を持続させるために反応物質を「プラズマ」状態にさせる必要がある。
後日の〜その②〜では、「プラズマ」に関する話を書こうと思う。