地震影響で地球変形、1日の長さが短縮 NASA推計

monja2005-01-11



参考リンク
す、すんません。12月30日のブログで、
「地球の自転速度は遅くなったんじゃないの?」って書いたけど、
上記の参考リンクによると、自転速度が「速く」なったみたいでね。


いや、一応言い訳させてもらうと(笑)
当初俺は、地球の回転方向と逆向きの方向に
プレートの力積が加わったのではないかと思ってたんだけど、
そもそも「プレートの動きが地球の回転に影響を与える」のではなくて
地震の影響で、地球の扁平率がわずかに減少した
 (楕円からわずかに真円に近づいた)事による慣性モーメント変化」
によって、自転速度が速くなったって事みたいだね。
まぁ「慣性モーメント」って言っても
大学の理工学部で「物理」とか「力学」の授業をとらないと
何のことかさっぱりわからないので、
今日はこの「慣性モーメント」について少し説明しよう。


まずは、右図の上部分を見て欲しい。
まぁよくある例なんだけど、
①:左の玉は、大きな玉につまようじが刺さっていると思って欲しい。
②:右の玉は、大きな玉の半分の重さである小さい玉2つが
  つまようじで連結されていると思ってくれ。
さて①も②も、重さは同じはずだよね。


さて、赤い点を回転軸として、これをコマのように廻すとしよう。
同じ力で廻そうとすると、どちらが速く廻せそうな気がする?
もうちょっと直感的に言い換えると、どちらの方が軽く感じるかな?
……うんうん、そう。
答えは①の方が速く廻せるし、軽く感じるはず。
慣性モーメントっていうのは簡単に言えば、今のような
「回転させる時に感じる物体の重さ」なんだよね。
んで、数学的な式を出すと慣性モーメントI
I=\int_{V} \rho r^2\, dV
(\rho=物体の密度分布,r=回転軸から質点までの距離)
となるんだけど(式はわかんなくても大した問題じゃないから大丈夫)、
大事なのは、「慣性モーメント」って
回転軸からの距離の二乗に比例して、大きな値をとるって事なんだ。
つまり、②みたいに平均的に回転軸から遠い位置に質量がある物体っていうのは、
慣性モーメントが大きい(すなわち重く感じる)ので、
①と同じ力で廻そうしたとしても、①ほど回転速度が出ないわけよ。
もし、①と同じ質量だとしても
玉が①よりも小さければ、玉の回転軸からの距離は①より短くなるので
「慣性モーメントも小さくなる」→「回転速度が速くなる」って事になる。


これと同じ事が、スマトラ沖大地震でも起こったって事なんだよね。
画像の下半分の③と④を見て欲しい。
もともと地球は真円じゃなくて楕円なんだけど、
③の楕円と④の真円で、
(オーバーな楕円を書いてるけど、実際の地球はもっと真円に近いので悪しからず)
どちらの方が平均的に回転軸からの距離が大きいかな?
まぁ、みたらすぐに解ると思うけど
楕円の回転軸からの距離は、真円よりも短いところもあるけど
慣性モーメントは距離の2乗に比例するので
楕円の方が平均的に慣性モーメントが大きくなるのがわかるよね。
って事は、「楕円の方が慣性モーメントは大きい」→「真円より回転速度が出ない」
という事になるわけよ。
今回の地震では、逆に地球の形がわずかだけ真円に近づいたために
ちょっとだけ地球の「慣性モーメント」が小さくなったので、
回転速度がほんの少しだけ速くなったって事なんだろうな。


フィギュアスケートで回転時に手を広げずに胸元に縮まるのは、
まったくこれと同じ理屈で、
手を胸元に持っていくほうが「慣性モーメント」を小さくできるので、
回転速度を上げることができるからなんだよね。
俺が最初にこれを勉強した時は、「12へぇ〜」くらい出たなぁ……。(笑)


ふぅ……。なるべく平易に書いたけど、わかってもらえるだろうか?
いつもいつも説明能力の無さにごめんなさい。(泣)