ライブドアが使った資金調達方「MSCB」とは?〜その①〜



昨日のブログ
今日の時点では
ライブドア」と「フジTV」に特に新しい動きは無いみたい。
ライブドア」は、「ニッポン放送」の株40%を所得。
「フジTV」は、TOB(公開買い付け)で25%を所得って事で
ニッポン放送」が持っている「フジTV」の議決権は消えそう。
しかしながら、「フジTV」は経営上の重要事項に対する
拒否権を発動できるために必要な33.3%の株所得にはまだ至らず。
一方で「ライブドア」も、
意に添わない役員を解任する特別決議を行うために必要な
66.7%の株所得にはまだまだ遠い。
という事で、まだまだ時間がかかりそうだね。


ということで、今日は「ライブドア」が「ニッポン放送」の買収資金として
リーマン・ブラザーズ証券から
MSCB」で800億円の巨額な資金をゲットしたんだけど、
この「MSCB」が既存の株主にとって
いかに危ない仕組みを持っているかを説明しよう。
MSCB」について書くと長くなりそうなので、
まず「社債」と「CB:Convertible Bond」(転換社債)についての説明を。


通常、たとえばライブドアがお金を借りるとすると
社債」を発行して、現金を調達するよね。
この「社債」っていうのは通常、
返済期間や利率などをライブドアが決める。
そんで返済期間がきたらライブドア
社債」を持っている人に対して、お金を返済するわけだ。
んで、この「社債」ってのは誰かに売ることもできる。
だからもしたとえば、ライブドア社債を持っている人で
「本当にライブドアはお金を返済してくれるんだろうか?」
と不安にかられたら、誰かにその「社債」を売ってしまえば良い。


さて、それじゃ「CB」とは何だろうか?
一言で言うと、
社債」は返済期間がくれば現金で返済するものだけど
「CB」は、現金じゃなく株でいつでも返済可能な社債なんだよ。
ここで現金じゃなくて、株で戻ってくるメリットを具体例で説明しよう。
たとえば、ライブドアの「CB」を1000円買うとする。
この時、株への転換価格が決まっているはずで
今の場合、転換価格が100円(1株100円)になっていたとする。
数日後にライブドアの株価が110円になっていた時に
1000円の「CB」を株に転換する。
転換価格が100円なので、1000円分の10株が手元に戻ってくるよね。
この直後に、10株を市場に売り出せば1100円で売れるので
結果的に100円得するわけだ。
つまり「CB」って、新規発行株を担保にお金を借りるって感じか?


ちなみに、万が一「CB」で株価が下がったときも
株に転換さえしなければただの「社債」なので
利払いもあるし、返済期間がくれば現金が戻ってくるはずである。
この仕組みが、「CB」のうまいところなんだろうなぁ……。


そういえば昨日、「明日MSCBについて説明する」って書いたけれど
やっぱ前置きが長くなってしまってために
今日は疲れたのでここまでにするわ。(謝)
明日こそ本当に「MSCB」について説明します。*1



*1:ちなみに、今回は経済の仕組みに関するネタなので「ニュース」じゃなく、あえて「サイエンス」にカテゴライズしてみました。「サイエンス」の方が妥当でしょ?