善人は損をする?



埼玉県の草加市で、ごみの中から2800万円が発見された事件を
みんな知ってる?
この事件を順に追って、説明すると以下の参考リンク1〜3となる。


(参考リンク1)
(参考リンク2)
(参考リンク3)


これを読んで、みんなはどう思いますか?
第一発見者の古紙回収業者は、悪いことをしただろうか?
草加市の言い分はこうだ。

2800万円は、リサイクル目的の市指定の資源ごみとして捨てられていた以上
持ち主が見つからなければ、所有権は草加市に帰する。
さらに、この回収業者は市指定の回収業者ではなく
勝手にごみを回収してるってことは、窃盗罪にあたるんじゃないの?

しかしながらこの回収業者はこの2800万円を、
警察に落し物として通報をしている。
少なくとも悪意があるならば、
(ほんのちょっとだけでも、やましい考えが浮かんでいるなら
 そのままこの2800万円持っていってるのだろう。)
正直な善人が、落し物の2800万円を警察に届けたら
市から窃盗罪で訴えられるっていうのは、
世の中のあるべき姿なんだろうか?


ただ草加市の言い分も、一理あるかなと思う。
草加市は、一昨年から缶やビンなどの資源ごみを
持ち去ることを禁止する方針を示し、看板や市広報で呼び掛けている。
行政の立場からすれば、ゴミ捨て場から勝手にゴミを拾う業者は
どういう理由であれ、こころよいはずはない。
ゴミ捨て場からゴミを拾うのが法律に反していれば、話は別だけど
法律的にはゴミ捨て場に捨てるだけで所有権の放棄になるので
特に問題になるわけではない。(参考リンク)
行政っていうのは、何事も特別扱いをしてはいけないと俺は思っている。
特定の人や組織や物に特別扱いをするなら、
どうして特別扱いする必要があるのかを徹底的に議論して
国民に対してきちんとした説明をする必要が行政組織にはある。
あいまいな基準で、特別扱いをしてしまうと
「俺達にも特別扱いしてくれよ。」とか
「何であいつらだけ特別扱いするんだよ?」みたいに
様々な不満や反動が出てきてしまう。
そういう意味で、今回の草加市の言い分もわからなくはない。


ただ、窃盗罪で訴えるのはどうかなぁ……。
もし本当に訴えたら
「やっぱ、正直者は損をするんだな。」
って思う人が増えるんじゃないか?
そういう意味で、この事件の草加市の対応はやりすぎだと思う。
個人的には、回収業者に苦言を呈するくらいが
ちょうどいいと思うのだが……。