最後のメッセージ



4月から全国転勤のある職場。
多分もう、長期間実家には帰れないから、最後のあいさつ回りに行ってきた。
小学校時代の親友、中学校時代の恩師、離れて暮らす曾祖母、
共に時間を過ごした大事なあいつら……。
なかなか会えなくなるのは寂しいけれど、俺ももう社会人。
今までは、社会に育てられてたわけだけど
今度は俺が社会に対して恩返ししなくちゃ。


だから、今までありがとう。
楽しい思い出だけじゃなく、時には喧嘩したときもあったし
時には一緒に悩んだり考えたこともあったけど
僕達は、果てのない「自分という名の道」を走り続けてるんだ。
人によって走る方向なんか全然違う。
たまたま僕らの道が、ちょっとだけ交差してただけなんだろうね。
最初は全然遠かったのに、そのうち僕らの距離が縮まっていく。
だけど交差点を過ぎた後は、どんどん遠くなって
そのうち君の姿も見えなくなる……。


俺はもう、この町には戻らないし
君もきっと戻ってこないだろう。
だけど、お互い自分の人生を頑張ろうな。


「ありがとう、さようなら」