数学難問「ポアンカレ予想」の証明理論は正当と①



参考リンク
以前、数学の未解決問題シリーズを書いてたけど
その時のシリーズ①の「リーマン予想」(参考リンク)と
③の「P≠NP予想」(参考リンク)を覚えてる?
この問題はクレイ数学研究所(参考リンク)の、
7つのミレニアム問題として高額な賞金がかかっていた。
今回、(おそらく)証明されるであろう「ポアンカレ予想」ってのは
この7つの問題のうちの一つになっている。
んで、この「ポアンカレ予想」ってのはどういう予想かっていうと
これがまたかなり説明が難しいんだ。
とりあえず、今回だけで説明しきれないので
何回かにわけて、平易に書こうと思ってる。


さて、この「ポアンカレ予想」ってのは、
トポロジー」っていう幾何学の一分野に属する予想なんだけど
とりあえず、この分野の基礎を抑えておかなくてはならない。
この「トポロジー」って分野は一言で書けば

ある空間内における図形で
拡大縮小、回転、ねじり、あるいはその他滑らかな変形
(数学的に書けば、「1対1」を保つ連続的(微分可能)な変形)を施しても
変わらない性質とは何なのかっていう事を研究する分野

って事かな?


さて、まず一つ抑えておかないといけないのが
「同相」っていう概念なんだけど、これは非常にわかりやすい。
何かある図形を変形させたいんだけど
変形前の図形と変形後の図形に、「連続」な「1対1」の写像ができる時を
「同相」っていうんだ。
もうちょっと、同相を一般的な言い方で書けば
「無茶な変形をしない」って事か?
わかりやすい例を出そう。


半円と線分は同相か?
……答えはyesである。
なぜなら、半円と線分には「1対1」の関係があるからだ。
上の図を見てくれ。
ある二次元座標平面状に半円と点Pがある。
点PからX軸に向けてレーザーを照射する。
そのレーザーとX軸の交点をつないでいけば、
「元の青い半円」と「レーザーとX軸の交点」って
「1対1」の対応をしてるでしょ?
つまり、半円と直線は「同相」であるっていうことが示せたことになる。


それじゃ、球面と平面は同相か?
……答えはnoだよな。
球面と平面は、どんなに考えても
上の図のような「1対1」の関係が作り出せないんだよ。
高校で「地理」を選択した人ならわかるだろうけど
メルカトル図法(普段俺達が扱う地図の図法)は、
経度線が平行に走っているので
北極点と南極点が一意に定まらないんだよな。
これだと、上記の2点において「1対1」の関係が成立しないので
球面と平面は同相ではない。


ポアンカレ予想ってのは、この「同相」っていう概念が鍵となっている。
次回では、ポアンカレ予想のもう一つの鍵「X次元球面」について
説明しようと思う。