数学難問「ポアンカレ予想」の証明理論は正当と②

monja2004-09-24



参考リンク①
さて、前回の①では
ある図形とある図形に、
1対1の対応が取れるなら
その2つ図形は「同相である」って事を書いた。
今日は、ポアンカレ予想を理解するうえで
大事な基礎「X次元球面」を少しだけ解説しよう。


とりあえず、上の図の円を見てくれ。
半径1の円っていうのは、
「中心から距離1以下の点の集合」と定義することが出来る。
この円の一番外側の点(つまり、中心からの距離=1になる点)だけを
抜き出してくると、通常俺達はそれを「円周」と呼んでいる。
同じように、半径1の球を考えてみよう。
円は二次元(平面)の図形だけど、球は中身(立体)のある三次元図形である。
球の中心から1だけ離れている点だけを集めると、球面ができるよね。


ところで円周は見ればわかるけど、ループ上の線分(1次元)でできている。
何気なく普通に「ループ」っていう単語を使ったけど、
この「ループ」って言葉を
「空間を二つの領域に分ける」っていう意味で再定義しておこう。
そういう意味で、再び円周を考えると
円周は、円の外側と内側の二つの領域の境界をなしているよね。
これと同じように、球面を考えてみよう。
すると球面は、ループ上の平面(2次元)でできていると考えることができる。
だって球面は、球面の内側の空間と外側の空間の境界をなしてるでしょ?


そうこれで少しは、トポロジーの世界を垣間見れたかな?
円は、2次元上で中心座標から等距離にある点の集合。
球も、3次元上で中心座標から等距離にある点の集合。
二つの図形は、それぞれ持っている次元数は違うのに、
その表面(円だったら円周、球だったら球面)はどちらとも
「空間を二つにわける」という能力があるんだよ。
俺達には見えないけど(見たこともないので想像もできないが……)、
4次元や5次元空間上の「多次元の球」にも、
同じような数学的性質がある事がわかっている。


ここで数学的な記号を紹介しておこう。
数学の世界では多次元球面を
記号でS^xと書く決まりになっている。
(ただしxには、次元数がはいる。)
つまり……
S^2→二次元球面(円に対する円周)
S^3→三次元球面(球に対する球面)
S^4→四次元球面(四次元球に対する四次元球面)
S^5→五次元球面(五次元球に対する五次元球面)


ってことね。


さて、これでポアンカレ予想を説明する基礎ができたわけだ。
次回にようやくポアンカレ予想の本質を説明するよ。


ここからは、俺の素朴な疑問。
上記の図を見てふと思ったんだけど
円の場合でも球の場合でも、
外側の点だけを集めた「表面」は次元が一つ落ちるのがわかるよね。
円(2次元)→円周(1次元)
球(3次元)→球面(2次元)
って事は、
四次元球(4次元)→四次元球面(3次元)ってことになわけだが
当然、俺には四次元球のイメージがつかない。
ただし、四次元球面は(空間の自由度的に)3次元になるはずなので
少しは想像できるかなと思ったんだけど、まったくわからん!
そもそも球の表面である球面(2次元)と平面が同相でないのと同様に、
4次元球面(3次元)っていっても、
おそらく3次元空間に特異点を持たせる必要があるわけだよな?
たかだか特異点を持たせるだけで、
全然イマジネーションができなくなるんだから
俺の想像力も貧弱なんだろうなぁ……。(笑)