これも、常識じゃ考えられないよなぁ……。



順を追って説明しよう。
まだ俺が大学院生だった2003年12月のクリスマス頃だったかな?
俺の常識を覆すめちゃくちゃおもしろそうなニュースが報道される。
世界初 鉄球が空中浮上 岩手高校佐々木教諭ら研究チーム
「えっ?!これ、どういう事?」
と、研究室のみんなで不思議に思ってたんだけど、
この鉄球浮遊の現象が「アーンショウの定理」を覆すのではないかと、
物理学の世界で多少騒がれていたらしい。


さて、アーンショウの定理なんだけど
一言で言えば、

磁性体に磁石を近づけたら
磁性体は磁石に吸い付けられてピッタリくっつくはずで
どこか途中の点で磁性体が止まる事はない。

って定理なんだ。
物理チックな言い方をすれば

磁場に関するポテンシャルが、ある一点で極大や極小を取りうるはずはない

って事なんだけど、この現象はどう解釈すればいいんだろうねぇ?
まぁ、そりゃ重力と何らかの力が釣り合っているのだろうけど、
通常なら力の釣り合いは「ある一点でのみ」成立するはずなので、
理論的には参考リンクのような状態は起こり得る。
ただ、力の釣り合う点をほんのちょっとでもずらすと、
力のバランスがずれるので、現実にはほぼ無理に近いはず。
(例えるなら、四本足の椅子を一本足で安定して立たせる事ぐらい難しい)


そんで、これを発表した研究グループが今回再び
次なる成果を発表したらしい。
参考リンク
今度は、一個じゃなくて複数のパチンコ玉だよ。(笑)
とりあえず、この研究グループも
何故こんな現象が起こるのかはまだ説明できないみたいなので、
誰かこれを解いて、学会かどこかで投稿すれば名前が売れるんじゃないの?(笑)


俺個人的な考えだけど、
「アーンショウの定理」を否定するようなものではないと思うんだよなぁ……。
やっかいなのは、パチンコ玉を入れてるプラスティックの箱じゃない?
あの箱のおかげで、パチンコ玉の運動が二次元に制約を受けるんだろうけど
箱を除去して、本当の意味での三次元上で同じ現象が起こるのであれば
こりゃいろんな意味で価値のある研究ができそうだよね。