こりゃおもしろい!「ライブドアのニッポン放送株問題」

monja2005-02-20



参考リンク
確かに堀江社長って、
言うことやることが普通じゃないので
いろいろと敵を作りそうな感じがするけれど、
やっぱそこそこ頭は良いんじゃないかなとも、俺は思ってる。
今回の一件も、民・政・官を敵に回しながらも*1
法律に接触しないギリギリのところを突きながら
ニッポン放送を買収する姿勢は、すごいチャレンジャーだと思う。
もしこれで、ライブドアニッポン放送の買収に成功したら
ある意味ヒーローになれると思うけど、
万が一どこかで失敗してしまうとライブドア
冗談じゃなく破産するんじゃないの?


今回のニッポン放送株所得も、
通常は「機関投資家による大量売買」や「グループ内の再編」などを
想定している「時間外取引」を逆手に取って
フジTVに気づかれないよう電光石火でニッポン放送株37%分を所得。
さらに、これから当面の資金を確保するために
アメリカの証券会社「リーマン・ブラザーズ」から
転換社債型新株予約権付社債(MSCB)で800億円もの巨額な資金を確保。
MSCBまで使いライブドアの株価下落のリスクを背負ってまで
資金を確保したって事は、
いちかばちかの大博打を張ったって事だよな。


ここで、この騒動の状況をまとめてみよう。
何故「フジTV」VS「ライブドア」の戦いなのに
ニッポン放送」が絡んできているかっていうと、
実質的には、「ニッポン放送」って「フジTV」の子会社のはずなんだ。
しかしながら、上図の株式出資構図に示すように
株式上では「ニッポン放送」が「フジTV」の筆頭株主であるために、
ニッポン放送」は「フジTV」の役員人事等の重要事項の決定や経営権に
直接口出しできると立場にあるわけだ。
ライブドアは、この親会社である「フジTV」と
子会社である「ニッポン放送」のいびつな関係に目を付けた。
ライブドアは、直接「フジTV」を買収できるほどの財力はない。
しかしながら「ニッポン放送」の買収なら何とかできると考えて、
そこから間接的に「フジTV」の経営に参画しようって魂胆らしい。


しかしながら「フジTV」は、「ライブドア」の影響を排除しようとして
商法のある条文に目を付ける。
それは、株式をお互いに持ち合う場合の規定で
「A社のB社に対する出資比率が25%を超えると、
 B社はA社に対する議決権を失う。」
って事なんだけど、上図に具体例もちゃんと載せてある。
つまり、今現在「フジTV」は子会社の「ニッポン放送」に
12.3%を出資している。
ところが、この割合が25%を超えると商法の規定によって
ニッポン放送」の「フジTV」への議決権が消滅する。
(つまり、赤い矢印が消える事になる)
これによって、
ライブドアがたとえ「ニッポン放送」の買収に成功したとしても
「フジTV」には余計な口をはさめなくなるわけだ。


ということで、双方の会社のとりあえずの目標は

って事になるんだよね。
ここで鍵を握っているのが、投資ファンドの「村上ファンド」。
この「村上ファンド」は、
1月現在で「ニッポン放送」の株の18.3%を所有している。
よって、「ライブドア」も「フジTV」も
何とかこの「村上ファンド」を味方にしたいわけだ。
参考リンク
さてさて「村上ファンド」は、
ライブドア」に付くのか、「フジTV」に付くのか、
あるいは持ち株を市場に放出してしまうのか……。
果たして今後どうなることやら非常に興味深い。


ちなみに今回のこのニュース、
確かに「ライブドア」が勝つか
「フジTV」が勝つかってのもおもしろいんだけど、
それ以外にマネーゲームの奥深さに、俺は非常に興味を覚える。
あっいや、あくまで「マネーゲーム」のメカニズムがおもしろいのであって、
自分で実践しようなんて思わないけどさ。(笑)
って事で、明日はライブドアの資金調達に使った
MSCB」についてちょっと書こうと思う。



*1:衆議院議員糸山英太郎氏のHPにこの件に関するコメントが載っているのだが、読んでて非常におもしろい。(笑)