音楽情報圧縮の基礎「量子化」

monja2004-02-26



前回は、連続波形を上図のように
時間軸に対して離散する
「標本化」について説明しました。
今日は、この離散波形を0、1に変換する
量子化の説明をします。


先の標本化によって、それぞれの振幅を数字で表せるようになりました。
上図の例であれば、1サンプル目から9サンプル目まで
(-15 , 10 , 4 , -16 , -27 , -13 , 6 , 34 , 18 , -5)
って感じかな?
量子化」っていうのは、振幅の値を代表値で置き換える作業なんだ。
だから、上の振幅列を量子化すると
(-20 , 20 , 0 , -20 , -20 , -20 , 0 , 40 , 20 , 0)
ってな感じになる。(下図参照)
これを、0や1だけで表すために以下のルールを作る。


量子化振幅→変換符号(変換される0、1の系列)
40→10
20→01
0→00
-20→11


すると、量子化振幅列は
(11 , 01 , 00 , 11 , 11 , 11 , 00 , 10 , 01 , 00 )
という符号列になる。こうして音声・音楽は、デジタル化されるわけだ。
基本的にCDには、音の上記のような符号列が延々と記録されている。


〜ちなみに〜
今の例では、量子化の代表値は40、20、0、20の4つで
一つのサンプルを10 , 01 , 00 , 11という2ビット表している。
実際は、代表値は4つじゃ全然品質が良くないため
CDは、65536個の代表値を用いて
一つのサンプルを16ビットで表している。