フーリエ変換の基礎②

monja2004-04-12



前回は、フーリエ変換の概念を書いたけど
今回は実際にある波形をフーリエ変換してみるか。
参考リンク
さて、今、8サンプルのある波形があったとしよう。
その振幅が、
[1633,2654,3040,2996,3679,4377,3971,3060,2230,1421]
だったとする。
この8サンプルの波形を、例のごとく8つの波形に信号分解する。
その8つの分解波形は以下に定める。


①[0.3536,0.3536,0.3536,0.3536,0.3536,0.3536,0.3536,0.3536]
②[0.5000,0.3536,0.0000,-0.3536,-0.5000,-0.3536,-0.0000,0.3536]
③[0.0000,0.3536,0.5000,0.3536,0.0000,-0.3536,-0.5000,-0.3536]
④[0.5000,0.0000,-0.5000,-0.0000,0.5000,0.0000,-0.5000,-0.0000]
⑤[0.0000,0.5000,0.0000,-0.5000,-0.0000,0.5000,0.0000,-0.5000]
⑥[0.5000,-0.3536,-0.0000,0.3536,-0.5000,0.3536,0.0000,-0.3536]
⑦[0.0000,0.3536,-0.5000,0.3536,0.0000,-0.3536,0.5000,-0.3536]
⑧[0.3536,-0.3536,0.3536,-0.3536,0.3536,-0.3536,0.3536,-0.3536]


ここで、それぞれ①〜⑧の周波数領域の変換係数は
[8983.8,-1609.5,-1097.3,-849.5,-487.5,-436.5,-166.3,-270.1]
となる。
つまりどういう事かっていうと
元の波形と変換係数に、以下の関係があるって事だ。
[1633,2654,3040,2996,3679,4377,3971,3060,2230,1421]
= 8983.8×①
 -1609.5×②
 -1097.3×③
 -849.5×④
 -487.5×⑤
 -436.5×⑥
 -166.3×⑦
 -270.1×⑧
図にすると、上記みたいな感じ。
「元の波形が、それぞれの分解波形の定数倍で構成される」
って感じかな。


このように、元の時間波形
[1633,2654,3040,2996,3679,4377,3971,3060,2230,1421]
から、周波数領域に変換すると
[8983.8,-1609.5,-1097.3,-849.5,-487.5,-436.5,-166.3,-270.1]
なるわけだ。
基本的に音声や音楽の高周波成分には、
大抵の場合ほとんどエネルギーがないので
低周波成分を細かく量子化して、高周波成分を荒く量子化するだけで
相当な圧縮効果がある。


さてさて、今のが離散フーリエ変換の実際例なのだが
世の中には、信号分解する方法がたくさんある。
このフーリエ変換ってのは、初歩中の初歩。
次回は、音声・音楽だけじゃなく、
映像(MPEG)や画像(JPEG)にも使われている
信号分解手法「DCT」とその仲間達を紹介しよう。