「ウェーブレット」とは何か?〜その②〜

monja2004-12-21



と、いう事で今回のから
本格的にウェーブレットについて説明しようと思う。
さて、俺が以前書いた
ここフーリエ変換の基礎②」の画像を見て欲しい。
フーリエ変換の場合は、ある波形を
「ゆっくり変化する波形」(低周波成分)や
「細かく変化する波形」(高周波成分)に
分解してるわけだけど、
ウェーブレットの場合もフーリエ変換と同じように
波形の分解をやっているにすぎない。
んで、ウェーブレットにもいろいろ種類があるんだけど
今日はイメージするのに一番簡単で
直感的にも理解しやすい「ハールウェーブレット」を説明するよ。


上図は、8サンプルの離散ハール変換の基底(分解波形)なんだけど
フーリエ変換の場合と違って、8つの分解波形が特殊な形をしてるよね。
フーリエ変換は、それぞれの基底がsinやcosで表せるんだけど
ハール変換の基底は、「-1」、「0」、「1」しか値を持たないんだ。
それと、フーリエ変換のすべての基底は
8サンプルすべてで値を持っているわけだが、
ハール変換の場合は、①と②こそすべてのサンプルで値を持っているけど
③〜⑧には、値が「0」のサンプルがあるのがわかると思う。
ここが、いわゆる「ウェーブレット」である事の本質なんだけど
ウェーブレットっていうのは、わかりやすく言うと
「長さ(サンプル数)の違う基底で構成される変換」の事を言う。
ハール変換の場合は、①と②の基底長が8サンプルで
③と④の基底長が4サンプル、⑤〜⑧の基底長が2サンプルであるのが
上図からわかるよね?


それぞれの基底で基底長が違うって事は
(一次元信号であれば)ある時間で急激に変化する波形の「変化点」、
(二次元信号であれば)画像のエッジの抽出がしやすい
といった便利な特徴がある。
よって、地震波の解析とか画像・映像の圧縮符号化等で
最近はよく使われる。
まぁ、そういう時間的な変化を抽出できる反面
周波数の分解能は落ちるわけなんだけど、
次の〜その③〜では、それについて説明しよう。